第二章 追放




ディルが死んだ。それから、半日が経った。

雨だと言うのに、町は復興のためみなが働きまわっている。

あれから、レグの姿を見なかった。レグの、あの悲しみに満ちた声が頭から離れない。


レグ・・・

心の中で呼んでみる。聞こえるはずがないのは分っていたが、レグが今何所にいるか分らなかった。

いつも、ウィルはレグと一緒だった。レグの方がウィルから離れなかったのだ。

ウィルが、8歳の頃レグが生まれたその時から、兄を追う弟のように傍から離れなかった。



ウィルはいつもの様に、ぼーっと草原に座って空を見ていた。いつもそこにはレグがいた。

「レグ・・・」

どうしたらいいのか分らないんだ・・・。


「小僧!!」

聞こえてきたのは、レグの声ではなく荒々しい町の大人達の声。


レグじゃないのか・・・。

後ろから聞こえてきた声に振り向き立ち上がる。そこにはやはり、町の大人3人。


「何?」

町の人がココへくるのは、珍しい事だった。ココは龍の住処として誰も近寄ろうとはしなかった。

それが、人間に危害を加えない龍だとしても。

ただ、ココへ通うと言えば、ギルの家族達だ。毎日が詰まらなくて暇つぶしに来るフィア。

そんなフィアを迎えに来たり、ウィルと話をしにくるギアだ。そして、ギア達の親。


「今すぐ、ここから出て行け!!」

大人3人は、凄い勢いで怒鳴り始める。ウィルには何がなんだか分らなかった。



ウィルはそのまま大人達に縛られ町の外へと連れ出された。

抵抗する訳でもなかった。

なんでもいいんだ・・・。



「もう、この町には来るな!!この疫病神!!」

冷たく言い放たれるが、ウィルにはどうでもよかった。

大人達が見えなくなるまで、ぼーっと、雨に打たれた。



俺はどうすれば・・・。何も分らないんだ・・。


居場所の無くなったウィルは、当ても無く歩き始めた。

見たことの無い、何所へ続くか分らない道を。






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